ソフトバンクとウィルコム沖縄が提供するY!mobileが2018年4月24日から国内・海外新料金プラン「Pocket WiFi 海外データ定額」を開始しています。

海外でのデータ通信が定額になるプランがセットされているので、出張族・海外旅行に頻繁に行く人にはオトクですが、このプランの料金設定はちょっと複雑です。

この記事では「Pocket WiFi 海外データ定額」プランについて料金の内訳やメリット・デメリットをしっかりと解説したいと思います。

Pocket WiFi 海外データ定額の利用料金

まず、このプランは国内向けの「Pocket WiFi プラン2」に月額284円で「海外データ定額」オプションをセットすることで利用することになります。

Y!mobileのPocket WiFi プラン2は月額5,696円(3年縛り契約にした場合は月額3,696円)で国内で毎月7GBまで高速通信できるWi-Fiサービスです。これにPocket WiFi 海外データ定額オプションをセットして利用することになるので、セットした場合の月額料金を確認してみましょう。

海外での利用がなかった場合の月額料金

3年契約がない場合(基本料金)

5,960円+284円=5,980円×1.08%(消費税)=約6,458円

3年契約の割引が適用された場合

3,696円+284円=3,980円×1.08%(消費税)=約4,298円

※上記は概算計算です。また、別途ユニバーサルサービス料金がかかります。

 

これは海外での利用が一切なかった月の月額料金です。

なお、この料金を支払うだけで海外で利用できるわけではありません。海外で利用する時は、1日90円(非課税)の海外利用料金を追加で支払う必要があります。次に例として7日間海外で利用した場合の月額料金をシミュレーションしてみましょう。

 

海外で1週間(7日間)利用した場合の月額料金

3年契約がない場合(基本料金)

約6,458円+630円(非課税)=7,088円(税込)

3年契約の割引が適用された場合

約4,298円+630円(非課税)=4,928円(税込)

 

上記の結果になります。

続いて、1日90円で利用するためには海外に行っても行かなくても毎月284円を払わなければならないので、1年間合計の利用料金を計算しておきましょう。

ここでは年に1回または2回海外に行く場合の利用料金をシミュレーションしてみました。

 

1年間に1回海外で利用した場合の実質料金(1回あたり7日間利用)

284円(税抜)×12(か月)×1.08%(消費税)+90円(非課税)×7(日)=約4,310円

 

1年間に2回海外で利用した場合の実質料金(1回あたり7日間利用)

284円(税抜)×12(か月)×1.08%(消費税)+90円(非課税)×14(日)=約4,940円

 

海外で利用するために支払う費用だけをあえて切り分けて計算した場合、負担する金額の大半は利用有無に関わらず発生する月額固定のオプション利用金が占めますので、年に1回利用しても2回利用しても実質の負担金額はあまり変わりません。頻繁に海外で利用する人ほどお得に利用できるプランと言えるでしょう。

 

例えば、海外WiFi大手のグローバルWi-FiやイモトのWi-Fiなどレンタルする場合、1日500円~1000円程度(予約タイミング・渡航エリアによって異なります)のレンタル料金です。7日間の利用で3,000円~4000円程度の利用料がかかることを考えると、海外出張などで海外に頻繁に訪れる人や年に3回・4回、しかも海外に長期滞在する人にとってはオトクなプランなのは間違いなさそうです。

 

海外で快適にインターネットに接続するには通信速度など、端末の性能・スペックも重要になってきます。次に、このサービスで利用する端末のスペック(性能面)を確認してみましょう。この料金プランを利用するにはuCloudlink製の専用のモバイルルーター「Pocket WiFi 701UC」(2018年4月24日発売)を利用する必要があります。海外では、uCloudlinkが契約しているネットワークを介してインターネットに接続する仕組み、というわけですね。

Pocket WiFi 701UCの特徴・スペック

701UCの外観

端末価格:3万7,800円

対応エリア:uCloudlinkが契約する100以上の国・地域

通信量上限:月7GBまで(海外での通信量)

通信速度(上り):75Mbps(※)

通信速度(下り):37.5Mbps(※)

※FD-LTE対応エリアでの最大速度

※海外月間データ通信容量を超えた場合、下り・上り共に最大64kbpsに制限される。追加料金を払っても通常速度には戻せない。

対応通信規格:FD-LTE、AXGP/TD-LTE、W-CDMA、GSM

端末サイズ:約65×126.5×19mm

連続通信:約18時間

同時接続:5台

 

端末価格は3万7,800円ですが、月額1,050円の端末サポートを受けられますので、3年間利用するのであれば実質端末料金は無料です。また、通信速度はグローバルWi-FiやイモトのWi-Fiなどの海外専用のWi-Fi端末をレンタルしてくれるサービスの最大速度に比べると半分ぐらいの速度となっています。通常利用する分には問題ない速度ではありますが、高速通信というわけではなさそうですね。

 

評価ポイントは国内でのデータ通信サービスとその料金

このようにPocket WiFi 海外データ定額は海外利用時の費用負担はかなり魅力的なプランと言えそうです。海外に行かなくても月額固定のオプション利用料金がかかりますが、月284円と低く設定されていますので、それ自身はそれほど気にする必要はないでしょう。

 

このプランの評価ポイントでもあり、最大の落とし穴・デメリットと言えるのが、Y!mobileの国内向けの「Pocket WiFi プラン2」の利用が必須になっている点です。

 

Y!mobileの「Pocket WiFi プラン2」は、3年契約の長期での契約の縛りを入れても月3,980円もかかりますし、月7GBまでしか高速通信できないのでとても魅力的とは言えません。例えば、Y!mobileの競合サービスのWiMAXの場合、プロバイダーをしっかり選ぶことで実質的には月額3,000円前後で通信料上限が無いギガ放題プランを利用することができますし、月7GBまでの通信料であれば2,170~円/月で利用できるプロバイダーもあります。年間で1万円~2万円も利用料金が違ってくるわけです。

 

海外旅行に毎年3回以上必ず行くような人であれば別ですが、年に1回~2回ぐらい海外に行けたらいいなと思っているぐらいの人であれば、普段の国内での生活ではWiMAXを使って、海外に行くときに1日あたり数百円の海外Wi-Fiサービスをレンタルした方が実質的に料金を安く抑えられるでしょう。そもそも、国内で無線Wi-Fiサービスが不要な人は論外(海外での利用料金が安いからと言ってY!mobileを契約する必要はない)です。

 

3年たたないで解約すると端末のお金もかかってしまいますし、最新性能がある端末を利用できないというデメリットもあります。

 

まとめ

Y!mobileのPocket WiFi 海外データ定額は、年に必ず3回以上海外に行く人(1回あたり7日間程度)にはおすすめできるものの、国内では通信量に上限なく高速通信したい人は、普段はGMOとくとくBBブロードWiMAXなどのように魅力的な利用料金でWiMAX2+を契約しつつ、海外旅行に行くときなどにグローバルWi-FiイモトのWi-Fiなどの安価海外レンタルサービスを利用した方が、費用面・端末の性能面(快適性)の双方で有利。

 

Y!mobileのPocket WiFi 海外データ定額は、「海外での利用分」だけを考えると、安く利用できるサービスと言えそうです。一方で、一緒に契約しなければならない国内向けの「Pocket WiFi プラン2」は利用料金も高く、通信量に上限があることを考えると魅力的とは言えません。

 

結論:いつの日かY!mobileのPocket WiFi プラン2が、より低コストで大容量通信に対応することを期待したい